タブレット教育の可能性に挑戦するタイ政府関係者と会ってきた

by 町田 龍馬 on 2012年6月15日

「One Tablet PC per Child」プロジェクトのロンチにかけつけたタイのインラク首相

一週間前にタイ政府のタブレット配布プロジェクトがスタートし、テストとして2,000台のタブレットが指定の小学校の1年生に支給された。

小学1年生全員にタブレット型コンピュータを無料で支給する政策が始動し、バンコクのタイ首相府で7日、インラク首相が各地の小学生にタブレットを手渡す式典が行われた。

小学1年生へのタブレット支給は現政権与党のプアタイが昨年7月の下院総選挙で公約に掲げたもので、今年から実施される。最初の40万台は今年5月、中国の深セン市希科普科技発展(深センスコープ科学開発)に計3280万ドル(1台82ドル)で発注した。タイ政府は同社に最大で60万台を追加発注する予定だ。
http://www.newsclip.be/news/2012608_034753.html

年末までに生徒(小1と小6)に80万台、先生に5万台のタブレットを支給

タブレットは深センのOEM/ODM専門の会社「Shenzhen Scope Scientific Development」が、他中国企業とのコンペに勝ち開発。現在一日に25,000台を生産しており、年末までに生徒用に80万台、先生用に5万台を出荷する予定。価格は1台$82ほど。不適切なサイトはアクセス出来ないように事前に設定されており、タブレット内に入っている学習アプリはタイの大学が開発。

タブレット「The Scopad SP0712」スペック

  • Android OS
  • 7インチスクリーン
  • CPU: 1.5ghz single-core processor
  • メモリ:1GB
  • HDD: 8GB of storage
このタブレットを実際に触っった日本人の知人によると動きはiPhone4などのスマフォより少し遅いが、ディスプレイの美しさや触った感触はiPad並とのこと。これで$82は本当に安い。

タブレット支給プロジェクトに関わるタイ人とご飯

僕はタブレット向け教育アプリの開発に挑戦していたこともあり、タイ政府のタブレット支給制作は、以前から注目していた。そんな中、知人の紹介で、このタブレット支給プロジェクトに関わるタイ人を紹介してもらえることになり、昨晩4人でご飯を食べてきた。

 

そこでわかったことは、このタブレット支給プロジェクトは、政治パフォーマンスの意味合いが強いということ(最近政権が変わった)。しかし仮にそうだとしても、このプロジェクトは画期的で素晴らしいチャレンジだ。今後の取り組みは日本を含め世界中の教育機関から注目されるはず。

 

ちなみにタブレットを支給された子供はタブレットを家に持ち帰ることもできる。使用用途としては、Googleによる情報検索、ゲーム、教育アプリによる宿題、SNSが考えられる。タイの子供は通常はITに触れることができないので、このタブレットで遊ぶことで、かなりITのレベルアップをはかれる。問題は学力が上がるかどうか。

米国には既に「Knewton」という素晴らしい教育アプリが存在

米国ではKnewtonというiPad対応Webアプリが小学校で導入されている。これは生徒が楽しく学べる機能があるだけでなく、個人に合わせて問題をパーソナライズ化させる、他の学校で同じような成績の生徒と繋がるなど、モチベーションを維持する仕組みがしっかりしている。

 

タイの大学が作った教育アプリがどこまで生徒のモチベーション維持できるかは疑問だが、いずれにしてもこれだけ大量のタブレットを小学校教育に導入することを決意して実際に実行したタイ政府は革新的で賞賛に値する。

これから遅かれ早かれタブレットが小学校や中学校で導入される時代は来る。Knewtonのように素晴らしいアプリが次々に生まれるだろう。今後が楽しみだ。

関連記事

町田 龍馬

著者プロフィール

25歳 起業家。米国向けにFacebook解析ツールを「ZenMetrics」を開発しながら、NetConcierge.jpのインバウンドマーケティングとFANCAM.comの日本進出を支援(http://t.co/DX58UjKS)。過去に倖田來未FANCAMと学研カレンダーアプリの企画/ディレクション、マイクロソフトのコンサル。モットーは「海外経験者や起業家精神を持った人を増やして日本を元気にする」

Leave a Comment