動画マーケティングを成功に導く秘訣

by 町田 龍馬 on 2011年11月23日

あなたはマーケティング戦略に“動画”を取り入れているだろうか?テレビCMでも分かるように、直感的で分かり易い映像は、非常に効果的な宣伝手段だ。近年のテクノロジーの発展と共に、映像制作は、個人にとっても身近な存在となった。

私は最近動画マーケティングのプロジェクトを行なっており、海外の先進的な事例を多数見てきた。日本がこの分野で遅れていることはあきらから。そんな中、Web関連のニュースサイト「the Next Web」が、マーケティングに適した動画の作り方について取り上げているので紹介する。

スマートフォンやタブレットの普及→動画を観る人増加

2010年には、合計で1300万時間を超える動画がYouTubeに投稿され、毎分48時間に相当するコンテンツがアップロードされたという。1日の動画の再生回数は、30億件を超えている。

Webデータ調査会社、米comScoreが公表した「米8月オンライン動画ランキング(August U.S. Online Video Rankings)」のデータでは、各種オンライン動画プラットフォームでの再生回数の合計は、米国内だけで69億件という記録的な数字に達したという。

 

さらに、非営利調査機関、米Pew Research Centerが実施した最新の調査によると、米国内のネットユーザーの71%が、日常的にYouTubeやVimeoなどの動画共有サイトにアクセスしているようだ。言うまでもなく、動画コンテンツをマーケティング事業の一環として採用していないビジネスは、この大規模なオーディエンス層をみすみす見逃していることになる。

 動画マーケティングのアイディア

写真コンテンツのように、動画には、「クリック1つで楽しめる」というニュアンスがある。ニュースレター購読への申し込みがあった場合は、単純な「お礼」メッセージの代わりに、社長からのビデオメッセージを加えてみてはどうだろうか?実際に性能を見てもらいたい製品があるなら、動画マーケティングを実践する絶好の機会だ。

イベントを開催する予定の企業にとっては、イベントの様子をライブストリーミングで配信することで、大量のトラフィックを獲得するチャンスになるかもしれない。これらは、動画がYouTube以外の場でも大いに活躍できるという典型的な例だ。

非常に高いシェアビリティ(共有性)を誇る動画コンテンツは、今やマーケティングを成功へと導くための、必須条件のひとつといえる。

動画のジャンル

動画の制作を始める前に、まずは動画のジャンルを明確にしなくてはならない。筆者の観点では、動画の種類は、3つの主要カテゴリーに分けて考えることができる:

  1. エンターテイメント系
  2. 情報系
  3. ハウツー系

1.エンターテイメント

このカテゴリーは、最も制作が困難かもしれないが、成功すればその効果は抜群だ。ビジネスモデルがB2B(企業間取引)にせよ、B2C(企業対消費者取引)にせよ、”サービスを提供する”ということに変わりはなく、誰もが“楽しいひととき”を求めている。動画マーケティングの効果を知りたいのであれば、大ブレイクしたデオドラント・ブランド「OldSpice」の動画「Old Spice Man」がとても参考になるだろう。

 

エンターテイメント動画は、大型予算を費やす巨大ブランドの特権だと思う人もいるだろうか? そんな人には「Will it Blend」を見ていただきたい。ユタ州オレム市に拠点を置くミキサーメーカーの米Blendtecは、この動画シリーズで累計1億8000万ビューを獲得し、数々の賞を受賞した。ほんの少しの創造力と綿密な編集を駆使すれば、非常に効果的なマーケティング動画の制作が可能となる。

 

2.情報

好みはさておき、世界最大の芸能ゴシップサイトといえば、おそらく「TMZ.com」だろう。サイト内に大量の記事コンテンツがある中で、ページ右側に注目すると、そこが動画専用のエリアになっていることが分かる。

 

動画は即時性が高く、情報配信にはうってつけだ。最新ニュースや新製品の紹介をする場合、ありきたりの配信手段だけでなく、CEOのメッセージ動画を配信するというのも効果的だろう。ブロガーやPR担当者、ジャーナリスト達にすれば、記事を吟味し、そこから重要な情報を抜き出すよりも、ただ動画メッセージをコピー&ペーストできれば、大幅な時間の節約になる。そして、その分コンテンツのシェアビリティが高くなる。

 

3.ハウツー

最も制作が簡単だといわれるカテゴリーだが、決して軽く見てはいけない。すでに上述したように、それぞれの動画ジャンルには多くのサブカテゴリーが存在する。特にハウツーには、多くみられるだろう。ハウツー動画は、商品の使用方法などを顧客に分かりやすく説明できる手段となり、顧客サービス担当者に掛かる負担を大幅に軽減できる。

 

製品の面白い使い方をひらめいた顧客がいるとする。そのことをブログなどで紹介してもらうのも1つだが、その顧客とのコラボ企画で、製品をどのように活用したのか紹介するハウツー動画を作ってみてはどうだろうか?その動画が話題になれば、他の利用者たちからたくさんのアイデアが寄せられることとなり、エンゲージメントの促進にも繋がるだろう。

動画の作成ノウハウ

ここまでで、どんな動画を作るべきか、どのように見込み顧客を引き込むか、などについて学んできた。それでは本題に入り、動画の作成に取り組んでいこう。

 

質が大切

動画用の脚本やナレーションを考えたり、マーケティングプランを発展させたりする前に、1つ重要な事実を確認しておこう:それは、動画の質は非常に大切、ということだ。これまでにオンラインで見た「面白い動画」について考えて欲しい。そのほとんどは、プロのチームによって作成されたものに違いない。予算に余裕のある企業は、迷わずプロに委託するのが得策だ。

 

但し、動画の撮影に、必ずしも映画撮影などで使用される「RED Cameras」のような高級カメラが必要だというわけではない。NikonやCanonなどは、高性能でリーズナブルなカメラを数多く提供しており、それらを使って十分に高品質な動画を撮影することができる。

 

撮影や編集にプロを雇う余裕のないビジネスは、次に挙げるヒントを参考にして欲しい:

  • 照明 – しばしば見落とされがちだが、巧みな照明技術は、動画を見事に際立たせる。宣伝動画の場合は、とにかく製品を目立つようにすることが重要だ。一方で、照明を当てすぎて動画が見えにくくならないよう注意する。人を撮影する場合などは、照明技術の基本といわれる「3点照明」を採用すると効果的だ。

 

  • 編集 – 熟練した編集者の仕事は、まるで芸術のようだ。音楽やタイミング、感情表現を駆使したレベルの高い編集には、視聴者に行動を起こさせたり、動画に釘付けにしたりする力がある。

 

  • 服装 – 今度ニュース番組を見るときは、ニュースキャスターの服装に注目して欲しい。ストライプのシャツを着たニュースキャスターは、まず居ないだろう。なぜだろうか?専門的な話になるので詳しくは触れないが、その理由は、モアレ効果を引き起こしてしまうからだ。無地でシンプルな色の服装が、映像には最適だという。

 

ターゲットに適切なコンテンツを出す

この要素は、すでに上述した動画のジャンルと関連性が深く、動画制作の方向性を決定する。動画マーケティングを成功させる秘訣は、有用な情報、または面白いコンテンツ(できれば両方)を視聴者に提供することだ。世間に一番伝えたいことは何か、幅広い年齢層に伝えるにはどんな方法があるかなど、常に考察する必要がある。

 

あなたが、ある装置メーカーを経営しているとしよう。あなたの開発した装置が、ある工場の生産効率を40%改善したということが、最近の調査で判明した。このニュースを公表する場合の主な選択肢は、Webサイトへの記載や、主要な報道機関への公開などがある。ここで、動画を新たなチャネルとして利用することで、オーディエンスの幅をさらに広げることができる。

 

但し、カメラの前に座って原稿を読み上げるだけでは、何の面白味もない。インフォグラフィックスや工場の映像、製品稼動時の映像、工場従業員からの一言など、具体的な内容を提供することで、より視聴者の心を掴むことができる。さらに、音楽やCTA(Call to Action)もふんだんに利用して、動画の質を高めていく。

 

ユーザーアクションを促す(Call to Action)

マーケティング用の動画を作成するのだから、直接宣伝につながるCTAの設置は必須条件だ。動画には必ずリンクを貼り、閲覧者を製品と直接関係のあるページに誘導できるようにする。誘導先のランディングページには、次回購入時に使用できる特別オファーのコードや資料請求のページ、コンタクトページなど、動画の内容に合ったものを選ぶ。

 

動画配信サービスを活用する

メジャーな動画共有サイトといえば、まずYouTubeの名前が挙がる。その他の動画サイトはどうだろう?知名度が低いからといって、オーディエンス(見込み顧客)がゼロということはない。

 

動画を大量に配信する場合、いくつかの選択肢がある。その中でも、動画配信サービス「TubeMogul」は充実した機能を実装しており、効率よく動画の大量配信が行える。無料で個人アカウントを設立でき、ビジネスアカウントならわずか$75ドルだ。TubeMogulは、ワンクリックで複数のサイトに配信できる機能の他、配信先のトラフィック統計を測定するサービスを提供しており、マーケティング担当者にとっては大変嬉しいツールだ。

 

SEOを忘れないようにする

動画を作成して、それで終わりではない。たとえどんな有名人を動画に起用しても、動画の説明文やタイトル、タグが、ユーザーの検索キーワードにマッチしていないと、せっかく時間をかけた作品が人目に付く確立は、限りなくゼロに近くなってしまう。ここまで苦労して作り上げた動画なのだから、動画の内容説明文にも全力を持って取り組むべきだ。

 

また、各プラットフォームでの動画閲覧設定が適切なことを確認する。配信した動画が議論を生み出すような内容であれば、コメント機能を有効にすることを忘れずに。アクティブなコメント板は、Google検索の大好物だ。同様に、評価機能もオンにすることで、動画ランキングに有効に働くだけでなく、作成した動画の出来栄えを、客観的に評価することができる。

 

なるべく短めに

動画の作成に取り掛かる前に、過去に面白いと思ったマーケティング動画を、もう一度思い出して欲しい。いろいろと思い浮かぶだろうが、だいたいどの作品も再生時間が2分以下だ。

 

伝えたいメッセージが、どうしても2分以内(イントロとアウトロも含む)で収まりきらない場合は、動画をチャプター別に分けることも考慮するべき。

 

クリアな音声を

優秀な編集者を起用して、どれだけビジュアル面の素晴らしい動画を作り出したとしても、音声の質が悪ければ、すべて台無しになってしまう。家電店で購入した1000円程度のヘッドセットで十分だろう、なんて甘い考えは捨てたほうがいい。

 

音声のプロを雇うことができるならそれに越したことはないが、そんな余裕のないビジネスは、音声の勉強や機材に、少しお金と時間を費やす必要がある。それほど、音声の質は重要なファクターだ。3000円〜5000円は投資すること。

 まとめ

動画は、ビジネスにとって欠かすことのできないマーケティング・ツールだ。日本ではまだそれほど活用されていないので、始めるなら今しかない。質の高い動画には、それなりの時間や労力、資金が必要となるが、成長し続ける動画マーケットを考慮して、将来のための投資と考えればいい。今回紹介したアドバイスが、皆さんのブランドイメージを一段と高め、競争相手に差をつけるきっかけになればなによりだ。

おまけ(日本の動画活用事例)

あっちんTVは動画をフル活用したブログメディアで、22歳の女の子が運営している。現在は「ブログやソーシャルメディアを活用すれば、普通の女の子でも、自己ブランディングできるし、有名になれる。」。正にチャンスだらけの時代だ。

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町田 龍馬

著者プロフィール

25歳 起業家。米国向けにFacebook解析ツールを「ZenMetrics」を開発しながら、NetConcierge.jpのインバウンドマーケティングとFANCAM.comの日本進出を支援(http://t.co/DX58UjKS)。過去に倖田來未FANCAMと学研カレンダーアプリの企画/ディレクション、マイクロソフトのコンサル。モットーは「海外経験者や起業家精神を持った人を増やして日本を元気にする」

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