ソーシャルメディアのROIを8つのケーススタディから分析

by 町田 龍馬 on 2011年10月7日

ブランドや企業がソーシャルメディアの活用を検討する際「ソーシャルメディアの費用対効果は高いのか?」という疑問がまず浮かぶ。もちろんやり方次第だが、どの企業もあらゆる面でソーシャルメディアを活用した方が得だといえる。以下に、ソーシャルメディアを活用した企業に関する8つのケーススタディを紹介しよう。

事例その1:バナー広告をしのぐソーシャルメディア

ソーシャルメディアの価値を測る一つの分かりやすい指標は、バナー広告など、既に判断基準が定められた広告手段と比べてみることである。

 

例えば、ソーシャルメディア・マーケティングに詳しいignitesocialmedia.comが取り上げているケーススタディでは、匿名のクライアントを取り上げ、バナー広告によるキャンペーンとソーシャルメディアを用いたキャンペーンと比較した。ソーシャルメディアがもたらしたトラフィックの増加には、バナー広告の5.67倍、一人当たりのコストでは6.5倍の効果が見られた。

 

さらに注目すべき点として、ソーシャルメディアから来たトラフィックは、バナー広告から来たトラフィックより利益を上げていた。ここからわかるのは、バナー広告を通して流れて来るトラフィックに費用を出すのは一見合理的に思えるが、長期的に見ると効率が良いとは限らないということだ。

事例その2:広告費10万ドル節約したハイテク企業

ソーシャルメディアへの投資を評価する別の方法を示しているのが、コンピュータネットワーク機器開発に携わる米シスコシステムズ(Cisco Systems)のケーススタディだ。この報告によると、同社は新製品の発売に際して、ソーシャル・テクノロジーを活用して、10万ドルを節約した。

 

これまで同社が新製品を発表するときには、高価な新聞広告に加えて、重役たちが広報のために飛び回っていた。しかし新たな試みとして、全ての宣伝をオンラインで行うようにした。

 

結果は、オンラインでの広告は、これまでの1/6のコストで、より大勢の顧客にリーチすることができた。ソーシャルメディアへの投資が、実際に利益を上げている優れた実例といえる。

事例その3:独自SNSを活用したレストランチェーン

ソーシャルメディアが、小規模なビジネスでも大きな販促効果があることを示す例として、あるレストランのケーススタディを取り上げてみよう。

 

Houlishan’s社は米国のレストラン・チェーンで、全米で100店舗を展開している。同社のマーケティング・マネージャーは、限られた予算を最大限に活用するため、Ningを使って独自のSNSを作り活用することにした。このソーシャルネットワークは「HQ」と名付けられ、2008年から運用されている。同社は、招待制にも関わらず、既にで1万人のメンバーを集め、Eメール・マーケティングを組み合わせて、特別割引やプロモーションを展開してきた。

事例その4:Twitterを活かす移動販売車

米サンフランシスコのCrème Brulee Man社もソーシャルメディアを活用したビジネスの好例だ。この会社は移動販売車を使って、食事を提供しており、いつ、どこで販売するかという大事な情報をTwitterで知らせている。

 

過去一年の間に、同社のTwitterには12,000人を超えるフォロワーがついた(現在は2万人)。比較的狭い範囲を商圏としたこの手のビジネスとしては、異例のフォロワー数である。同社のビジネスでは、新しい顧客の獲得や、販売場所の告知といった重要な役割をTwitterが担っている。

事例その5:顧客を増やしたクレジットサービス

ソーシャルメディアによって、即座にもたらされる収益も大事だが、小規模な企業にとっては長期的な影響も大きな関心事となるだろう。クレジットサービスを扱う米CareOne社のケーススタディはこの点で非常に興味深い。

 

CareOne社では、ソーシャルメディアを活用して顧客サポートするチームを作り、各種のプロモーションを展開してきた。これまでのマーケティング活動を分析し、ソーシャルメディアを通して顧客となった人と、他の方法を通して顧客となった人を比較すると興味深い事実がわかった。

 

ソーシャルメディアを通して顧客となった人が「お問い合わせフォーム」に記入する率は、他のグループに比べて179%も高いのだ。また、実際に同社のシステムを活用して最初の支払いをする割合も、他の方法で顧客となった人に比べて732%ほど高かった。

 

つまり、ソーシャルメディアを活用することで、実際に購入してくれる可能性の高い顧客を引き寄せ、利益につながるトラフィックの増大をもたらす。

事例その6:Facebook広告で売上増大


有料のソーシャルメディアの活用も、投資対効果の点で非常に良い選択となる。例えば米国で、吸血鬼の子どもをキャラクターにしてマスコットや人形を売り出している米Vamplet社のケーススタディが参考になる。

 

Vamplet社は、新しい販売経路を増やすため、Facebook広告の活用を試みた。同社がFacebook広告にかけたコストは、一月250ドルという少額だった。しかし、広告の効果を追跡したところ、何と1,000ドルの売上増加をもたらしていた。これは投資効率にして300%の効果であり、コスト面から見ても、非常に効率的であったことがよくわかる。このように、Facebook広告では、ターゲットが明確だったり、ユニークだったりする場合には顕著な効果がある。

事例その7:カスタマーサービスを効率化

人件費削減という角度からソーシャルメディアの投資効果を分析しているケーススタディによると、多くの企業が、カスタマーサービスの手段としてのソーシャルメディアの可能性に注目し始めている。例えば企業のオートメーション化を手がける米Infusion Soft社では、製品の最新情報やアップデートに関する通知を伝えるためにソーシャルメディアを活用している。

 

同社は、以前72人の顧客に対して1人のカスタマーサービスを置いていたが、今は172人の顧客に対して1人となっている。さらに顧客満足度も10%向上しているので、顧客がリピーターになったり、クチコミで他の客を紹介してくれたりする可能性も上昇した。つまりソーシャルメディアを活用することで、人件費を下げ、リピーター率、紹介率を上げることでに成功した。

事例その8:ユーザーレビューが販売を促す

最後に、ソーシャルメディア活用例ではないが、ユーザーレビューの有効性ついて考慮してみよう。実際、製品に関するネガティブなコメントを含んだレビューに対し、神経質になる企業も少なくないが、各種の調査によると、ユーザーレビューのネガティブなコメントが、必ずしも企業にネガティブな影響をもたらすとは限らない。

 

良いレビューと悪いレビューの両方を示すことによって、企業は製品に対する自信を示すことができ、ユーザーは製品の欠点も含め、十分な情報を得た上で購入することができる。結果として、よりふさわしい顧客が製品を購入することになり、会社の信頼性は向上する。

 

この点を裏付けるものとして、自動車販売を手がける米Cars.comが実施した興味深いケーススタディがある。この調査では、レビュー機能があるサイトとそうではないサイトを比較している。ユーザーの感想が紹介されているサイトの方がコンバージョン率が16%高く、ディーラーのサイトへの流入率は100%も高かった。

まとめ

上の事例は全てソーシャルメディア活用の成功例だが、全ての企業がソーシャルメディアを使って上手くいくとは限らない。ソーシャルメディアをどのように活かすのか、プロフェッショナルな戦略が必要だ。とはいっても、ソーシャルメディアを活用したマーケティングは他の媒体と比べて、気軽に試すことができるので、まずやってみるのもありだ。Zen Startupでは「ソーシャルメディアを使った、マーケティング/カスタマーサポート/組織改革」などの、アドバイスやプランニングのサービスを提供しているので、興味が有る方は気軽に連絡していただきたい。

 

 

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町田 龍馬

著者プロフィール

25歳 起業家。米国向けにFacebook解析ツールを「ZenMetrics」を開発しながら、NetConcierge.jpのインバウンドマーケティングとFANCAM.comの日本進出を支援(http://t.co/DX58UjKS)。過去に倖田來未FANCAMと学研カレンダーアプリの企画/ディレクション、マイクロソフトのコンサル。モットーは「海外経験者や起業家精神を持った人を増やして日本を元気にする」

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