GoogleがYelpの競合Zagatを買収した本当の理由とは?

by 町田 龍馬 on 2011年9月21日

先日、米Googleは、レストランガイドを発行する米Zagatの買収を発表した。Googleは、以前から地域ビジネスの評価や検索、レビューなどの地域情報の分野に手を伸ばしつつあったが、今回の買収により、地域情報サービスへの本格的な参入を明確にした。しかし、大きな視点から見ると、今回の買収は、地域情報サービスの拡大が真の目的ではないように思われる。この買収に対するGoogleの思惑とは何だったのか?

Zagatとは?

Zagatは、長年にわたり、さまざまな都市のレストランを紹介、評価するガイドブック「Zagat Survey」を出版している。1979年に設立された同社は、35万人を超える調査員やレビュアーを抱えている。

同社は、2009年にも一度、売却を検討しており、当時の売値は、2億ドルだったという。今回の買収金額は明らかではないが、市場の現状を考えると、2009年時点での売値には届いていないだろう。

Googleは過去にYelp買収に失敗

以前、Googleは、約5億ドルで、レビューサイト米Yelpの買収を試みたが、失敗に終わった。その後、Googleは、地域検索サービス「Google Places」の開始やホテル検索機能の追加など、地域情報サービスへの展開を広げていった。

Yelpの競争相手であるZagatを買収

今のネット世代が、Yelpにやや傾いている中、今回の買収は、Googleにとって非常に有効に働くはずだ。今回の買収の優れたポイントは、Googleは今後、自身の検索エンジンで、競争相手のYelpのデータの代わりに、優先的にZagatのデータを表示できるというところだ。

Googleは、今回の買収に関して、公式公式ブログで次のように述べている

Zagatは、我々の地域情報サービスの礎となるだろう。Zagatが誇るレビューや評価といったコンテンツでユーザーを満足させると同時に、あらゆる地域での特別な体験を、世界中のユーザーに提供することができる。

Googleの真意は観光業界の市場獲得

今回の買収に関しては、いくつかの見方がある。まず、名声とデータの買収が目的のひとつであることは、明らかだろう。これでGoogleは、Zagatというブランドと、Zagatが所有するあらゆる情報を手に入れることになる。さらに、Googleには、食の評価、推薦エンジン「Forkly」などを買収し、より専門的なシステムを導入するという思惑もあるようだ。

 

だが、この買収の真の目的は、地域情報サービスの拡大とは別のところにあると思える。ZagatのコンテンツとGoogleが2010年に買収した米ITAのフライト情報検索ツール、そしてGoogleのホテルレビュー機能、この3つを連携させることで、Googleは観光業界で、堅固なプレゼンスを確立することができる。その圧倒的な情報提供量は、同業他社には到底真似できないだろう。

 

確かに地域情報サービスは、重要だ。しかし、たった一手で、年間190億ドルを捻出する観光業界の中枢に入り込む。これが、今回のZagat買収の、本当の目的ではないだろうか。

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町田 龍馬

著者プロフィール

25歳 起業家。米国向けにFacebook解析ツールを「ZenMetrics」を開発しながら、NetConcierge.jpのインバウンドマーケティングとFANCAM.comの日本進出を支援(http://t.co/DX58UjKS)。過去に倖田來未FANCAMと学研カレンダーアプリの企画/ディレクション、マイクロソフトのコンサル。モットーは「海外経験者や起業家精神を持った人を増やして日本を元気にする」

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