絶対に知っておきたい5つのfコマース調査結果

by 町田 龍馬 on 2011年9月12日

先日、米8th Bridgeが小売業の上位200社に関する調査結果を公開した。この調査では、各社の客層や顧客との関わり方、販売方法(fコマースの導入など)といった要素から、独自の評点に基づく「Social Commerce IQ」を算定している。調査の方法は、米国人1000人強に、小売業200社に関するアンケートに回答してもらうというもの。この結果(ダウンロードはこちら)から、意外なトレンドが見えてきた。ソーシャル・メディアに関するニュース・ブログ「Simply Zesty」の記事を参考に、調査結果のポイントを5つに分けて紹介しよう。

1.コメントを残したりする「観客」と、実際に商品を買う「買い物客」は層が異な

8th Bridgeは、各社のWeb上での販売システムや販売促進の手法をもとにSocial Commerce IQの評点を割り出している。このSocial Commerce IQのスコア上位10社と、「engagement rate(ファンのエンゲージメント率)」の上位10社を比べると、まったく異なる社名が挙がってくる。

2.アパレル・ブランドはFacebookからの流入が多い

同調査では、Facebookページから自社サイトへの流入率も調べている。図のように、アパレル・ブランドは、上位10社のうち4社を占めた。図からは、特にfコマースと相性の良いブランド、または自社サイトへのリンクをクリックさせる力を持ったブランドがわかる。

3.ファンの数はブランドの信頼や販売力を表すものではない

各ブランドやマーケッターには、ファンの数がすべてであるかのような考え方が、昔からあるようだ。しかし、この調査結果をみると、単純にページに「いいね!」をつけたファン全員が積極的にブランドに関わっているわけではないことがわかる。

Neiman Marcusは更新に対する「いいね!」の数と、平均コメント数では小売業でトップを誇るデパート・チェーンだが、Facebook上での更新回数やファンの数でみれば、決して業界最多というわけではない。これは、ファンが多くなくても更新の効果が得られることを証明する好例だ。

ページのファンの数が、ブランドに積極的に関わっているファンの数だとは限らないことは既に書いたが、そのファンの数はまた、ブランドの信頼や販売力を表すものでもない。 アンケートでは、ページのファンの数と同ページで商品を購入することとは無関係だという回答が65%に達した。

4.実は、ファンの数は少ないほど良い

fコマースを展開する小売業大手には「ファンの数が増えるほど、一人ひとりのファンの積極性が薄くなる」という不可避のジレンマがあるようだ。逆にニッチでファンの数が限られたページには、非常にアクティブなファンが多く見受けられる。以下のグラフでわかるように、ファンのエンゲージメント率で上位につけた企業ほど、ファンの数では下位に位置している。

100万人以上のファンのいるFacebookページでは、ユーザーがコメントを残してもすぐに埋もれてしまう可能性が高く、また、企業側がそのコメントに反応する可能性は非常に低い。つまり、逆にファンが少なければ、相互にエンゲージメントしやすいことになるのだ。

 

5.無料サンプルや特典割引は必要ない

また、調査結果から、fコマースで成功している会社は、特典割引などではなく、商品自体の紹介にフォーカスしている会社だということがわかる。マーケッターの多くが、Facebookページのファンになってもらうためには何かしら特典をつけた方がいいだろうと考える。もちろんファンがついてくるような魅力は必要だが、そのために商品の売価を下げる必要はない。むしろ、魅力は商品自体にあることを示すべきだろう。この論理でいえば、既に売れている会社が有利になることは言うまでもないが、そうでない会社もこのやり方を採用すべきだ。ページ上でブランドの価値を喧伝することは必要だが、無料サンプルや特典割引に頼るべきではない。

まとめ

fコマースでは、これまでの商習慣や常識が通用しない。特筆すべきは、この市場では常に勝者だと言いきれる会社が1社もないことだ。例えば、売り上げでは他社に勝っていても、どうもファンのエンゲージメントが弱いなど、あらゆる観点で1位になる会社がないのだ。各ブランド、マーケッターはもちろん、消費者も、Facebookやソーシャルメディアを利用した販売について、今後ますます学んでいく必要があるだろう。

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町田 龍馬

著者プロフィール

25歳 起業家。米国向けにFacebook解析ツールを「ZenMetrics」を開発しながら、NetConcierge.jpのインバウンドマーケティングとFANCAM.comの日本進出を支援(http://t.co/DX58UjKS)。過去に倖田來未FANCAMと学研カレンダーアプリの企画/ディレクション、マイクロソフトのコンサル。モットーは「海外経験者や起業家精神を持った人を増やして日本を元気にする」

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