「顔写真はサイトの信用度を増す」は本当か?

by 町田 龍馬 on 2011年9月7日

eコマースでの成功の秘訣とは何だろう? eコマースサイトの運営者たちは、ランディングページのコンバージョン率(サイト訪問者数に対して実際に取引に結びついた人の割合)を向上させるために、日々、試行錯誤を繰り返している。そんな中、Webサイト最適化の情報を提供するブログ Visual Website Optimizer が、コンバージョン率の向上方法について、興味深い記事を載せている。

<以下、Visual Website Optimizerブログ記事より一部を紹介>

人物写真(性別問わず)は、サイト訪問者の心理に何らかの影響を与えるのか? 今回、A/B testing case studies から取り上げたケース・スタディは、human photos on landing pages(ランディングページ上の人物写真)に関して、人物写真とコンバージョン率との関係を検証したものだ。

研究論文に見る、人物写真の効果

Webサイト、とりわけeコマースサイトでの人物写真の掲載に関しては、これまで非常に有意義な科学的研究が行われてきた。通常、オンラインでの商品購入を検討する際に、最も考慮すべきポイントは、そのサイトの信用性だ。人物写真と商品を結びつけることは、信用を生み出す手段の1つだと、eコマースサイトの運営者たちは信じている。この「人物写真=信用の向上」という仮説は果たして正しいのだろうか?

この疑問に答えるため、筆者は、いくつかの研究論文(いずれも科学雑誌に掲載されたもの)を分析した。以下は、今回の調査に使用した、主な参考文献である(引用を一部記載)。

  • The Human Face of E-Business」(eコマースサイトでの営業担当者の写真を使った顧客信用の実験) ― Webサイトに、写真や動画を採用することで、訪問者のサイトに対する信用度が増すことが明らかになった
  • Shiny happy people building trust?」(eコマースサイトの写真と顧客信用) ― 写真を追加することで、信用度の低いWebサイトの信頼性を回復させることができる
  • Exploring Human Images in Website Design Across Cultures」 ― 顔写真を載せているWebサイトは、顔写真や人物写真をいっさい載せていないWebサイトに比べ、ユーザーから積極的に受け入れられるという結果が出た
  • Trust at first sight?」(ユーザーによる、信頼できるeコマースサイトの特定) ― 人物写真は、訪問者のベンダーに対する第一印象に、好影響を及ぼすようだ

これらの論文の結論をまとめると、どうやら、人物写真の記載=信用の向上、という仮説は成り立つように思える。

A/Bテストで仮説を実証

科学的調査だけではなく、筆者が実際に立ち会ったA/Bテストでも、人物写真の記載が、コンバージョン率の増加に貢献するという仮説を実証している。ここで、2つの実例を挙げてみよう。2組のWebサイト運営者が、我々の提供するA/Bテストツール(Visual Website Optimizer)を使い、人物写真の必要性とそのコンバージョン率への影響力を測定する実験を行った。

■A/Bテストその1:写真 vs. 絵

ブラジルやカリブ地域の絵画をオンラインで販売するeコマースサイト、米Medalia Artは、オンライン絵画販売店ということもあり、ホームページの画像に、有名な画家の作品を掲載していた。今回、その画像を画家の顔写真と置き換え、ページのコンバージョン率にどう影響を及ぼすのか、A/Bテストを実施した。このA/Bテストの目標は、サイト訪問者のエンゲージメント(ホームページ上のいずれかのリンクをクリックする)率を増加させることにある。

従来のページ(絵を使用)

 

変更後のページ(人物写真を使用)

結果は、従来のページのコンバージョン率が8.8%だったのに対し、画像を顔写真に置き変えたページでは17.2%にまで跳ね上がった。コンバージョン率が約2倍にまで増加したことになる。わずかな変更で、大きな効果を生んだ。

■A/Bテストその2:写真 vs. アイコン

2組目の実験者、Jason Thompson氏が実施したA/Bテストは、同氏が運営するブログで、お問い合わせ欄のアイコンを自身の顔写真と置き換え、ユーザーからの問い合わせの数を測定したものだ。

その結果、写真を使った場合は、従来のアイコンに比べ、コンバージョン率が約1.5倍となった。Thompson氏は、今回の実験結果について、人物写真は親近感や安心感といった心のつながりを生み出すのに効果的だ、と語っている。

Webサイトに人物写真は絶対条件?

今回の調査結果のなかで、特に注目すべきポイントを取り上げると――

  • 人物写真の使用は、サイト訪問者から信用を得るのに、非常に効果的な手段だ
  • 特に、顔写真は、より好印象を与える(心のつながりが強くなる)
  • 写真は「本物」を使用すること。素材サイトなどから借用しても、ユーザーには分かってしまう
  • 最も重要なポイント:人物写真の有効性は、すべてのWebサイトに当てはまるわけではない。やはり、最善の効果測定手段は、自分自身で人物写真のA/Bテストを実施してみることだ。いくつかの研究論文によると、人物写真がサイトに悪い影響を及ぼしたケースもあるようだ!

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町田 龍馬

著者プロフィール

25歳 起業家。米国向けにFacebook解析ツールを「ZenMetrics」を開発しながら、NetConcierge.jpのインバウンドマーケティングとFANCAM.comの日本進出を支援(http://t.co/DX58UjKS)。過去に倖田來未FANCAMと学研カレンダーアプリの企画/ディレクション、マイクロソフトのコンサル。モットーは「海外経験者や起業家精神を持った人を増やして日本を元気にする」

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