ガイ・カワサキが指摘した「起業家がよくつく10の嘘」の解説

by 町田 龍馬 on 2011年8月16日

著名な投資家・起業家である、ガイ・カワサキが少し前に、自分のブログで“ベンチャーキャピタリストがよくつく10の嘘”という記事を書いた。自らもベンチャー・キャピタリストであるカワサキの記事は人々の興味を引き、幾つかのサイトで論評された。

さらに続けて彼は“起業家がよくつく10の嘘”という記事を書いた。この記事に対して、面白い論評を加えているサイトがあったので以下に紹介する(残念がらリンク先URLを失ってしまった)。

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ガイ・カワサキが、少し前の“ベンチャー・キャピタリストがよくつく10の嘘”に続けて、“起業家がよくつく10の嘘”という記事を書いた。私は投資に関して、起業家にしてやられたということがないので、彼らがどんな嘘をついてきたのかよく分からないが、ガイの挙げたトップ10(実際には11あったようだが)に私独自の意見を付け加えてみよう。

1.“我社の立てた見通しは控え目です”

  • ガイが言っているとおり、起業家はどの程度の売上が見込めるかなど分かっていない。売上の見通しなど占いと同じで時間の無駄でしかない。

2.“〇〇社は、2010年に我社の市場規模は500億ドルになるだろうと言っています”

  • リサーチ会社や証券会社が何を言おうが知った事ではない
  • もしあなたのプレゼンにこの手のスライドが入っていたら、そのスライドもしくはプレゼンはやめるべき
  • プレゼンに語らせようとするより、自分の情熱を語るようにする

3.“来週ボーイング社と納入契約を結ぶ予定です”

個人的にはこのセリフはちょっと気に入った。私のアドバイスは以下のようなものだ:

  • 決して一社だけに自分のビジネスを賭けてはいけない、絶対にだ。
  • 決して特別待遇をしてはいけない。顧客は全て平等に扱うか、大口よりも小口の顧客をまず優遇するかのどちらかだ。

4.“投資が決まれば、カギとなる人材が来てくれるんです”

もし小規模な会社(ベンチャー・キャピタリストに話を持ちかけているなら小規模だろう)ならば、従業員はみなカギとなる人材でなければならない。カギとなる人材がまだ確保できていないと言うなら、すでに社にいる人材を軽く見ていることになり、士気にも影響するだろう。さらに、大事な投資家の同意を取り付けるまで、相手やオファーが待っていてくれるとは限らないので、このような言葉は発しないこと。

5.“我社は誰もやっていないことを手がけています”

次のようなケースは極めてまれにしか存在しない。ただ一人あなただけが 1・そのアイディアを思いついた、さらに 2・そのアイディアを実行に移そうとしている。もちろんその可能性が全くないとは言えないが、まずないと言っていいだろう。そんな可能性に賭けるのはやめたほうが良い。

経験から言って、もし良いアイディアがあったら、5社が同じことをしている。もし飛び切り素晴らしいアイディアがあったら、15社が同じことをしている”。

6.“これは誰にも真似できません”

現実を見ることにしよう:

テクノロジーは今や日用品の一部なのだ。もしあなたにできるなら、ほかの誰かもできるはずだ。そして往々にして、ほかの誰かのほうがもっとうまくやれるのだ。

本当に他社と差をつけることができるのは、デザイン、コピーライティング、実行力、明確さ、情熱、カスタマーサービスの質といった分野だ。明確な定義ができない、あるいは箇条書きにできないところこそ、肝心な要素になるのだ。

7.“他の投資家も興味を示しているので、急いでいただいたほうがいいと思います”

こういう言い方でオオカミ少年を演じるなら、うまく逃げだす準備をしておいたほうが良いだろう。

8.“Oracleは、大きすぎて/鈍すぎて/遅すぎて我社の脅威にはならないですね”

起業家にとって恐れの感情は非常に重要なものだ。もし大企業にやられてしまうことなどないと思っているなら、もう一度よく考えたほうが良いだろう。確かに大企業は動きが遅いかもしれない。しかし動き出すまでの間に、じっくりあなたを観察し、あなたのミスから教訓を引き出し、そしておもむろに叩きのめしてしまうのだ。

私はウェブアプリの世界において、小さいことには今でも大きなアドバンテージがあると考えている。しかしこの競技に参加し続けたければ、いつも謙虚でいることだ。

9.“うちには実績のある経営陣がいます”

もしその起業家に本当に実績があれば、(a)恐らく投資してもらう必要はないだろう;(b)実績があるとアピールしないだろう。(有名なプロスポーツ選手は、“私は有名です”とわざわざ言って歩くだろうか?)

要するに、自分のすごさを他の人にアピールしなければならない人は、一般的に言ってそれほどすごくはないのだ。自分のすごさをアピールしたければ、過去についてあれこれ言うより、今それを証明できなければならない。

10.“我社がやらなければならないのは、1%のシェアを取ることだけです”

もしあなたの目標が1%のシェアを取ることだけであれば、2%を取るだけの情熱はないことになる。ゼロに最も近い数字は1だということを忘れてはいけない。

 

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最近は日本でもシードマネーが流れる傾向にあり、起業家が投資家をピッチする機会がかなり増えている。そんな中、起業家は、上記のような、嘘をつかないように気を付けなければならない。とにかく熱意を持って、正直に、ピッチしてほしい。

ちなみに、この10年間、日本のスタートアップを見てきた、ブレークスルーパートナーズの赤羽雄二さんは、急成長してきた起業家の共通点として「熱意・向上心・柔軟性」の3つがあると断言していた。

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町田 龍馬

著者プロフィール

25歳 起業家。米国向けにFacebook解析ツールを「ZenMetrics」を開発しながら、NetConcierge.jpのインバウンドマーケティングとFANCAM.comの日本進出を支援(http://t.co/DX58UjKS)。過去に倖田來未FANCAMと学研カレンダーアプリの企画/ディレクション、マイクロソフトのコンサル。モットーは「海外経験者や起業家精神を持った人を増やして日本を元気にする」

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