位置情報サービスをマーケティングに活用した5つの例

by 町田 龍馬 on 2011年8月11日

Simply Zestyブログより

米国では、「Foursquare」や「Facebook Places」(日本では「Facebook」の「スポット」)など位置情報サービスが普及し、特に大都市ではこの手のサービスが開始来あっという間にかなりの人気を集めている。ただし、ユーザー企業にとって、自分たちのビジネスにどう利用できるのか、つかみにくい側面もあるようだ。

アイルランドのオンライン広告/ソーシャル・メディア企業であるSimply Zestyが公式ブログで、参考になりそうな事例を紹介している(記事)。位置情報サービスをマーケティングに利用して成功した5つの例。学べるところも多いのではないだろうか。

<以下、Simply Zestyブログ記事より一部を要約して紹介>

ランチスペシャルを売り出したサンドイッチショップ

小規模なビジネスが、位置情報サービスをマーケティングにうまく使って利益増につなげた例として、米国オハイオ州のThe Columbus Sandwich Companyを取り上げてみたい。 位置情報サービスを使ったダイレクトマーケティングの非常に良い例だ。

同社のオーナーLad Dilgard氏は「Seven Lunches」という位置情報サービスを使っている。近所のレストランやカフェの当日のスペシャル・メニューなどを教えてくれるモバイルアプリだ。The Columbus Sandwich社がターゲットとする客層に訴えるためにぴったりのニッチなアプリであり、しかも巨大なユーザーベースなど必要としない。

同社はこのアプリを使って当日のスペシャル・メニューを紹介しており、会社のスタッフみんながアプリを使いこなせるようにしっかりレッスンしている。このケースは、最大手のサービスが必ずしも最良のツールになるとは限らないことを示す好例だろう。むしろ、自社がターゲットとしている層にピンポイントで訴えかけられるのが最善のアプリであり、コストパフォーマンスも最も良い(時には無料)ことがよくわかる。

英国のSUBWAYが店舗でクーポン配布

位置情報サービスを活用する方法はアプリだけではない。英国インターネット・プロバイダー大手「O2」が仕掛けたキャンペーン「You Are Here」に参加したファストフード・チェーンのSUBWAYの例を紹介しよう。

このキャンペーンは、位置情報サービスを活用して、近くにいるユーザーの携帯電話に情報を配信するというものだ。例えば、ユーザーがSUBWAY店舗の近くまで来ると、MMSが送られ「店内で携帯電話を使って割引券をダウンロードできますよ」と知らせてくれる。このキャンペーンは、配られた割引券がどれくらい使われるかを確かめるため行われている。 SMSやMMSは依然マーケティング・ツールとして使えるが、位置情報サービスと組み合わせれば、さらに有効なツールになりうることがわかる。

マクドナルドとFacebook Places

マクドナルドのサイト(Simply Zestyブログより)

シンガポールのMcDonald(以下、マクドナルド)は、シンガポールの建国記念日(8月9日)に合わせて「Facebook Places」を使ったキャンペーンを始めた。同キャンペーンの特設サイトでは、シンガポール国内のマクドナルドに「Facebook Places」でチェックインした人の数が表示されている。

キャンペーンの目標は、シンガポール独立46周年を記念して4万6000人のチェックインとした。目標に到達するとスペシャル・サプライズが明らかになる趣向。この記事の時点でチェックインは5万人に達しており、サプライズの中身も公開されている。

このキャンペーンで、マクドナルドはかなり注目を集めることができた。街頭広告やテレビCMも使ってこのオンライン・キャンペーンを喧伝し、ソーシャル・メディアの活用に真剣に取り組む同社の姿勢を示した。

位置情報サービスを使ったクライスラーのスポンサーシップ

位置情報サービスを上手に使った広告の例に、米Chrysler Group(以下、クライスラー)を挙げることができる。同社は、国内のWi-Fiホットスポットを見つけるアプリを提供しているJiWire社と提携し、実験的にアプリ内広告を展開している。

面白いのは、このクライスラーの広告がアプリ内で完結していて、アプリを離れずにそのままクライスラーの製品ラインアップを閲覧できることだ。アプリ内の広告はみな、JiWireのスポンサーシップと関連付けられている。

このキャンペーンは、位置情報サービスを直接使っているわけではないが、このサービスがトレンドに敏感な層に受けていることを利用して、自社の製品を同じ層に売り込もうという興味深い戦略だ。

ブリトーをさらにお得にした位置情報キャンペーン

最後に、位置情報サービスとDaily Deals(グルーポンのような共同購入サービス)という2つのトレンドを上手に結びつけた例を紹介しよう。

ブリトーのチェーン店である米Bolocoが展開したキャンペーンは、位置情報サービスを提供しているSCVNGRと組んで、ユーザーに特定のチャレンジを課すものだ。Daily Dealsを使った店の多くが直面するのが、一時的に顧客が押し寄せても、ほとんどがもう二度と来てくれないという事態だ。

そこで、このキャンペーンでは、リピーターに特典を準備し、「また来たい」という気持ちになってもらうことを目標にした。例えば、通常はSCVNGRを通して10ドルのブリトーを5ドルで提供していたのが、次回訪れた顧客は「レベルアップ」して、30ドルのブリトーを10ドルで買えるといった具合だ。

これは位置情報サービスを活用して、常連客を増やすうまい方法だ。位置情報サービスをマーケティングにうまく使えば、実際に売上増に貢献できることを証明した良い例だと言える。

 

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Simply Zestyのブログ記事の内容は以上のようなものだ。日本でも、クーポン連動の位置情報サービスなどが始まっているが、Foursquareの日本ページを見ると、ちょっとどうかと思う日本語訳があちこちに見られるし、Facebookのチェックイン・クーポンも使える店の数がまだ少なく、これからに期待といった感じだ。

上に挙げた事例は、日本でもちょっと工夫すれば活用できるアイデアが含まれている。始まったばかりのサービスなので、今後の伸びに期待したい。

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町田 龍馬

著者プロフィール

25歳 起業家。米国向けにFacebook解析ツールを「ZenMetrics」を開発しながら、NetConcierge.jpのインバウンドマーケティングとFANCAM.comの日本進出を支援(http://t.co/DX58UjKS)。過去に倖田來未FANCAMと学研カレンダーアプリの企画/ディレクション、マイクロソフトのコンサル。モットーは「海外経験者や起業家精神を持った人を増やして日本を元気にする」

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