小さな冒険を始めよう!

by 宗像 淳 on 2011年5月13日

 

終身雇用がない時代

かつては、企業に就職して定年退職するというのがお決まりのコースだった。

会社の中の部署や担当する仕事内容は、会社や上司から一方的に割り当てられ、自分が選ぶ自由はなかった。仕事を選ぶ自由がないというのは、逆に言うと、ある意味選択をしなくてもいいという事なので、実は楽ちんなのである。

だから、バブル期のように、とにかく、がむしゃらに働けば、儲かるという時代には、それこそ、部活のようなノリで、ひたすらに働き、そして、遊んでいたのである。

ところが、終身雇用が崩壊し、新卒の大量採用がなくなった今、ビジネスパーソンは、転職や起業を通じて、自分のキャリア形成を図っていくしかない。

意思決定出来ないのが人間の性

実は、これはなかなか大変な事なのだ。なぜなら、人間はもともと、何かを決めたり、何かを選ぶという事が得意ではないのだ。

バリー・シュルツ教授は、高級ジャムを題材に実験をした。スーパーの売り場に6種類のジャムを並べた時と、24種類のジャムを並べた時に、どっちが沢山売れるのか?驚くべきことに、24種類のジャムを並べると、消費者は選択肢が多すぎて、決められなくなり、売上が下がったのだ。これが、Paradox of Choice(選択肢の矛盾)である。

 

キャリア決定の先送り

選択肢の矛盾は、我々の仕事やキャリアにも当てはまる。僕たちは、常にいろいろなキャリアの選択肢を評価し、自分の価値基準に照らして、選択するという作業を常に迫られている。転職すべきか、否か?社内異動すべきかどうか?起業すべきかどうか?などなどなど。

これは相当にストレスが高い事なのだ。なぜなら、無数にある選択肢を評価し、選択しなければならないからだ。

この結果、多くの人が行うのは、キャリアの選択を先送りすることだ。考えなければ、いけないのは分かっているが、考えるのが本当に苦痛なので、先送りするのである。今、30代の半ばを迎えている人は、心当たりがあるのではないだろうか?僕も、20代の時は、転職も含め、キャリアの選択を何度も考えたが、決める事が出来なかった。

そんな時によく使う言い訳が石の上にも3年である。ところが、3年が5年になり、10年になる。気がついた時には、自分は石の上の苔になっていた、という事になるのである。これは、まさに、バリー・シュルツ教授がジャムの実験で証明した、選択の矛盾が生じている状況だ。どうすれば、選択の矛盾から脱して、自分のキャリアに対する意思決定ができだろうか?

 

自己分析は意味が無い

よく、自分の人生の棚卸しをしたり、自分のキャリアゴールを決めたりする、のが良いという人もいるが、僕はこれには反対だ。大体、キャリアゴールが決めれないから困っているのだ。しかも、過去の棚卸しをしたところで、自分のやりたい事が出てくるとは限らない。

実際、僕も死ぬほど自己分析はやってきた。新卒で就活した時、MBA留学の時、1回目の転職の時、2回目の転職の時。キャリア本も沢山読んだ。毎回、僕が感じた事は、自己分析は出口の無い迷路だという事だ。

さらに言えば、自己分析をして自分のキャリアゴールを設定する行為は、自分の将来の可能性を狭める事でもある。なぜなら、常に過去の延長でしか考えられないからだ。これはとても勿体ない。

 

行動をしてみよう

僕のお勧めは、とにかく、頭で考えるのを止める事だ。そして、行動する事だ。

キャリア本を読むのを止めて、自分の行きたい業界の人に会う事。ボランティアに興味があったら、一日体験をする。農業に興味があったら体験する。留学に興味があったら、1週間のホームスティをする。

行動を起こすと間違いなく発見がある。新しい人と出会い、考え、感じる事が出てくる。自分の思った通り楽しい業界だった、憧れてたけど現実は厳しい、など色々フィードバックが出てくる。そしたら、次のアクションを取ればいい。

 

小さな冒険を始めよう!

いきなり、会社を辞めて、転職をする必要はない。思い切って、有給をとって1週間、冒険の旅に出てはどうだろうか?外国を訪れるのはお勧めだし、知らない人に会いに行くのもお勧めだ。行動すれば考え方が前向きになるし、チャンスに対応しやすくなる。思いがけない出会いで道が開けるという事がよくある。

失敗をする事もあるかもしれない。やっぱり違ったなと思うかもしれない。でも、違う事がわかったというのが大事なのだ。やっぱり俺はこの道しかない、そう思えたならそれは大収穫なのである。

 

執筆者:宗像 淳(むなかた すなお)

 

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宗像 淳

著者プロフィール

起業家。福島-東大-米国Wharton校MBA。ソーシャルメディア/コマースのトップブランドZen Startupの代表。専門はベンチャー経営、マーケティング、Twitter、Facebook、Eコマースです。 http://www.facebook.com/ZenStartup

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